3乗の計算で最も失点が多いポイントは「符号のミス」です。プラスとマイナスの配置ルールを論理的に整理しておけば、丸暗記に頼らずとも迷うことはなくなります。
展開公式において「3乗公式がマイナスのとき」、すなわち$(a - b)^3$の符号は、「$b$の次数(何乗されているか)」に着目します。
$(a - b)^3$ を $(a + (-b))^3$ と捉えると、展開後の項に含まれる「$-b$」の個数によって符号が決まります。
- $a^3$:$b$が0個 $\rightarrow$ プラス
- $-3a^2b$:$b$が1個(奇数) $\rightarrow$ マイナス
- $+3ab^2$:$b$が2個(偶数) $\rightarrow$ プラス
- $-b^3$:$b$が3個(奇数) $\rightarrow$ マイナス
このように、「$+ \rightarrow - \rightarrow + \rightarrow -$」と符号が交互に入れ替わるリズムを把握しておけば、マイナスの位置を見失う心配はありません。
一方、3乗の和と差の因数分解公式($a^3 \pm b^3$)における符号の覚え方は、「同・逆・正(どう・ぎゃく・せい)」の合言葉で覚えるのが極めて効果的です。
例えば $a^3 + b^3$ の場合:
1. 最初のカッコ $(a + b)$ は元の式と【同符号】の「$+$」
2. 2つ目のカッコの中央 $-ab$ は元の式と【逆符号】の「$-$」
3. 最後の項 $+b^2$ は【常に正】の「$+$」
$a^3 - b^3$ の場合も全く同じルールが成立します。最初のカッコは同符号で $(a - b)$、次のカッコの中央は逆符号で $+ab$、最後は常に正で $+b^2$ となり、$(a - b)(a^2 + ab + b^2)$ が完成します。この「同・逆・正」のリズムを身につければ、試験中の符号チェックは一瞬で完了します。