本作の終幕を巡っては、インターネット上で「打ち切りになったのではないか」という噂が散見されますが、これは事実と異なります。当時の米CBS局およびプロデューサー陣の公式発表によると、シーズン6の制作段階でクリエイターと主要キャストの間で徹底的な対話が行われ、物語が最も美しい形で着地できるよう、全13話からなる「シーズン7での計画的完結」が決定されました。
視聴率の低迷による唐突なキャンセルではなく、キャラクターたちの旅路を完璧に描き切るための戦略的なフィナーレだったのです。
そのシーズン7のクライマックス(最終話「別れの言葉」)では、息をのむ展開が描かれました。巨悪である億万長者オーディン・ライヘンバッハを法的に追い詰めるため、シャーロックは自らの命を絶ったと偽装し、ニューヨークを去ってロンドンへ潜伏します。相棒であるワトソンを守り、悪を葬るための自己犠牲でした。
それから3年の歳月が流れた後、ホームズはワトソンが重篤な乳がんを患っているという報せを受け、偽装死のリスクを冒してニューヨークへ電撃復帰します。ワトソンは養子(アーサー)を迎え、母親としての人生を歩んでいました。
物語のラスト、ワトソンの治療は無事に成功し、ホームズの生存と無実も法的に認められます。二人は再びブラウンストーン(拠点の邸宅)のリビングで言葉を交わし、グレグソンやベルが見守る中、新たな事件現場へと二人並んで歩き出します。「二人の日常とパートナーシップは永遠に続いていく」という希望に満ちた幕引きは、世界中のファンから最高のフィナーレとして称賛されました。