公用車の後席には、日夜多忙を極める内閣府特命担当大臣をはじめとする政府高官が乗り込む。分刻みのスケジュールに追われる大臣の移動を支えるため、お抱えの運転手には極めて高い運転技術と精神力が要求される。しかし、現実には民間委託された運行会社への依存度が高まっており、現場の労働環境や教育態勢のバラつきが懸念されてきた。
交通事故報道が過熱する背景には、単なる物損事故にとどまらない「国家の中枢を担う要人の危機管理」という重大なテーマが隠されている。安全基準を満たした最新鋭の防突ブレーキや運転支援システムが搭載されていたにもかかわらず、なぜ事故は防げなかったのか。運行システム全体の盲点が浮き彫りになった格好だ。