ネット上のヘルスケアコミュニティやSNS上には、毎朝の絶望的な起床時の苦痛を吐露する生々しい体験談が数多く投稿されています。「目覚ましが鳴っても、腰が板のように固まっていてベッドから降りられない」「横向きになり、手でベッドのフレームを掴んで腕力だけで上体を起こしている」といった切実な叫びです。
30代から50代のデスクワーカーや立ち仕事従事者の声を詳細に検証すると、共通する生活習慣のパターンが浮かび上がってきます。その筆頭が、「入浴をシャワーだけで済ませる習慣」と「就寝直前までのスマートフォン閲覧による交感神経の優位化」です。
湯船に浸からずシャワーで済ませると、深部筋肉の血行不良と冷えが解消されないまま床に就くことになります。さらに、画面のブルーライトによって自律神経が交感神経優位のまま眠りに入ると、睡眠中も全身の筋肉が無意識に緊張し、血管が収縮した状態が続きます。神経科学の領域では、精神的ストレスや睡眠の質の低下が中枢神経系の「下行性疼痛抑制系」(痛みを脳内で和らげる機能)を鈍らせ、わずかな筋膜の引っ掛かりを激烈な痛みとして脳に伝達してしまう現象が確認されています。朝起き上がれないほどの痛みは、単なる筋肉のコリだけでなく、過度な自律神経の乱れが拍車をかけている実態があるのです。