主人公・杉元佐一を演じる山﨑賢人の圧倒的な肉体美と眼光は、観客を一瞬で作品世界へと引きずり込んだ。日露戦争の激戦地・203高地を生き延びた「不死身の男」としてのリアリティを得るため、徹底的なトレーニングでビルドアップされた体躯。しかし、単なる物理的補強にとどまらない深いアプローチこそが彼の真骨頂だ。
劇中で彼が見せる眼光には、壮絶な戦場をくぐり抜けた者だけが宿す生々しい狂気と、ふとした瞬間に覗かせる素朴な優しさが同居している。干し柿の味に目を細める無邪気さと、敵を容赦なく叩き潰す野獣のような殺陣。山﨑はこの二面性を完璧に演じ分け、数々の大型アクション作を背負ってきた彼自身のキャリアにとっても、間違いなくエポックメイキングな代表作へと高めてみせた。