煮沸消毒の現場で最も頻発するミスが、「取り出した後の拭き上げ」です。熱湯から引き上げたばかりの瓶の内側に水滴が残っているのを見て、清潔なはずの布巾で拭き取ってしまう人が少なくありません。
しかし、「煮沸消毒した瓶は絶対に布巾で拭いてはいけない」というのが衛生管理の常識です。
洗い立てに見える布巾やタオルであっても、繊維の隙間には微小な空気中のホコリや常在菌、水滴を拭う過程での手指の雑菌が付着しています。100℃で完全に無菌状態となった瓶の内部を布巾で拭く行為は、自ら雑菌を塗り広げる「二次汚染」そのものです。
正しい乾燥手順は以下のステップを踏みます:
ステップ1:煮沸が終わったら、清潔なトング等を使って瓶を垂直に引き上げ、鍋の上でしっかり湯を切る。
ステップ2:清潔なバットの上に敷いたキッチンペーパーやケーキクーラー(網)の上に、口を下に向けて置く。
ステップ3:1〜2分置いて大まかな水気が落ちたら、今度は口を上に向けて立て直す。
熱湯消毒された瓶は、ガラス自身が蓄えた高い保有熱を持っています。開口部を上に向けることで、内部の水分が熱気とともに上昇気流に乗って一気に蒸発し、わずか数分で完全にサラサラの状態へと自然乾燥します。この熱蒸発の原理を利用することこそが、最も安全で無菌性を維持できる冷まし方です。
なお、冷ます際は急冷を避けるため、冷たい金属板の上に直置きしたり、冷風を直接当てたりせず、室温で緩やかに降温させてください。