ファンに最も強い衝撃を与えたのが、諸伏景光の死因とその裏にあるあまりにも切ない真相です。彼は黒の組織に潜入中、公安警察の潜入捜査官(NOC)であることが露見してしまいます。
組織からの追跡を逃れ、あるビルの屋上に追い詰められた景光は、同じく組織に潜入していたFBI捜査官の赤井秀一(コードネーム:ライ)と対峙します。赤井は自らの正体を明かし、「お前を逃がす手助けをする」と説得を試みました。しかしその直後、非常階段から急ぎ足で駆け上がってくる足音が響き渡ります。
この足音を「組織の追手が迫ってきた」と誤認した景光は、赤井の隙を突いて拳銃を奪い取ります。自身の胸ポケットに入れていたスマートフォンのデータ(家族や警察関係者の情報)ごと自らの心臓を撃ち抜き、自決を遂げました。大切な仲間たちに組織の魔の手が及ぶのを防ぐための、命を賭した自己犠牲でした。
残酷なことに、階段を駆け上がってきた足音の主は、景光を救出するために必死で現場へ向かっていた降谷零(安室透)本人だったのです。ほんのわずかなタイミングのズレと誤解が生んだこの悲劇は、作品屈指の切ないシーンとして語り継がれています。