捜索活動の命運を握るのが、気象庁による火山活動監視データだ。御嶽山は今なお活動を続ける生きた火山である。噴煙の量、微小な地殻変動、水蒸気噴出の兆候――わずかな異常数値が検知されれば、捜索は即座に中断される。
現場と本部を結ぶ通信機には、常に緊迫した声が飛び交う。雷鳴や落石の音と火山活動の微動を見極める眼差しは真剣そのものだ。安全確保と捜索継続の狭間で揺れる判断は、一刻の猶予も許されない。山頂付近に留まれる制限時間は、気象状況とガスの濃度によって厳格に決められている。自然の脅威に対する畏怖と、捜索を完遂したいという情熱。その相克が、この過酷な地に特有の緊張感を生み出していた。