この場所から生まれた独自の表現スタイルは、日本のネットカルチャーそのものの基礎を形作った。文字記号を組み合わせて作られた「ギコ猫」や「モナー」といったアスキーアート(AA)は、独特のユーモアと哀愁を漂わせ、人々の感情を表現するアイコンとなった。「うはwww」や「メシウマ」といった独特のネットスラングも、ここから爆発的に広まった。
中でも最も決定的な出来事が、2004年に話題となった『電車男』のブームだ。オタクの青年が掲示板の住人に励まされながら恋愛を実らせていくという実話風のストーリーは、書籍化や映画化、ドラマ化へと波及した。それまで「陰湿なアングラ空間」と見なされていた場所に、人間味あふれる温かい物語が存在することが証明され、一般社会におけるイメージを劇的に変える契機となった。