地上波テレビのリアルタイム視聴が減少傾向にあると言われる現在においても、ジブリ作品が放映される夜のSNS空間は異様な熱気に包まれます。その象徴的事例が、『天空の城ラピュタ』のクライマックスで唱えられる滅びの呪文に合わせた「バルス祭り」です。
かつて世界最高ツイート数(現・Xの投稿秒間レコード)を記録し、通信インフラの耐久テストとまで呼ばれたこの現象は、単なるネットの悪ふざけを超え、現代のソーシャルカルチャーとして定着しました。当時の裏話として、日本テレビの金曜ロードショー公式SNSアカウントも秒単位で放送進行をカウントダウンし、データ放送と連動した企画を展開するなど、テレビ局とネットコミュニティが一体となって祝祭空間を演出していきました。
ネット上のリアルな反応やコミュニティの声を分析すると、視聴者が金曜ロードショーのジブリ放送に求めているのは「ストーリーの確認」だけではありません。
- 「ストーリーは10回以上見て全部知っているのに、なぜかテレビをつけて実況ポストを見てしまう」
- 「子どもの頃に親と見た名作を、今度は自分の子どもと一緒に見ながら当時の記憶を語り合える」
- 「名シーンのセリフをタイムラインの全員が一斉に書き込む一体感が心地よい」
このように、金曜ロードショーのジブリ放送は、個々人が孤立して画面を見る時代において、「同じ瞬間に日本中の見知らぬ誰かと感情を共有する稀有なソーシャル・プラットフォーム」として機能しています。