登戸地区における土地区画整理事業は、川崎市にとっても長年の懸案事項であり、一大プロジェクトだった。かつて駅周辺に存在した狭隘な道路網や老朽化した木造建築群は、災害時の安全性や交通結節点としての機能において大きな課題を抱えていた。それが今や、電線類の地中化が完了した美しいストリートと、歩行者専用のペデストリアンデッキによって一変している。
「昔は雨が降ると駅前の狭い歩道で傘がぶつかり合い、バスを待つ列で歩道が埋め尽くされていました。今はベビーカーを押しながらでもストレスなく歩ける。街全体の空気感が本当に明るくなりましたね」。駅近くで長年カフェを営む50代の店主は、変化の大きさをそう語る。駅前広場の拡充により、バスやタクシーの乗り継ぎも極めてスムーズになり、都市としての基本性能が格段に向上した。