人間は誰しも一晩に数回は夢を見ています。それにもかかわらず、多夢によって眠りが浅いと感じる理由はどこにあるのでしょうか。鍵を握るのは、睡眠サイクルの乱れと「中途覚醒」の頻度です。
通常、睡眠は深いノンレム睡眠と、脳が活発に動いて記憶の整理を行うレム睡眠を約90分周期で繰り返します。夢の多くはレム睡眠中に見られますが、深い睡眠がしっかり取れていれば、目覚めたときに夢の内容を覚えていることはほとんどありません。
しかし、何らかの要因で睡眠の深度が低下すると、レム睡眠の割合が増加したり、レム睡眠の直後に微小な覚醒(マイクロアローザル)が頻発したりします。その結果、夢を見ていた瞬間の意識がそのまま脳に刻印され、「一晩中ずっと夢ばかり見ていた」という疲労感に直結するわけです。つまり、多夢多夢に陥る根本的な原因は、夢の回数そのものよりも「深い睡眠ステージへの移行が阻害されていること」にあります。