事件の一報を受け、歌舞伎の興行を一手に担う松竹株式会社は未曾有の危機対応に追われた。看板俳優の離脱という大打撃に対し、急遽代役を務めて絶賛を浴びたのが、猿之助の従兄弟である香川照之(市川中車)の長男・市川團子であった。若き才能の覚醒は澤瀉屋の未来に一筋の希望をもたらしたが、組織としての立て直しは容易ではない。
香川照之自身もまた、芸能活動における試練を経験しながらも澤瀉屋の屋台骨を支えるべく奔走を続けている。松竹は劇場の安全管理や俳優・スタッフのメンタルヘルスケア体制の刷新を急ぎ、従来の属人的な興行運営から組織的なサポート体制への移行を余儀なくされた。澤瀉屋という巨大な看板をいかに守り、次世代へバトンを渡すのかという重い宿題が突きつけられている。