アゼライン酸を肌に乗せた瞬間に生じる熱感やピリピリ感は、皮膚表面の受容体が引き起こす一時的な神経刺激に起因する。アゼライン酸は天然由来のジカルボン酸であり、有効濃度を保つ製剤の多くは弱酸性に調整されている。これが角層を急速に通過する際、知覚神経の末端を一時的に刺激することで特有の知覚過敏状態が生じる。
重要なのは、この反応が必ずしも肌組織の損傷を意味するわけではないという点だ。肌の水分蒸散を防ぐ皮膚バリア機能が低下している状態では、酸性成分の透過スピードが急激に跳ね上がり、刺激をよりダイレクトに感じやすくなる。細胞が破壊されているのではなく、神経センサーが一時的にアラートを鳴らしている状態に近い。