本田技術研究所栃木の広大な敷地内では、世界のモビリティの未来を決める二つのビッグプロジェクトが同時進行している。一つは、ゼロからの思想で生み出される次世代EV「Honda 0シリーズ」の開発。そしてもう一つが、2026年からのF1復帰に向けたパワーユニット開発プロジェクトだ。電動化という時代の大きな波に対し、ホンダが導き出した解がここにある。
世界中のライバル企業が電気自動車の量産化に鎬を削る中、ホンダ栃木の開発陣は単なる追い上げを狙ってはいない。「Thin, Light, and Wise(薄く、軽やかに、賢く)」という相反する要素を高次元で融合させるアプローチ。これこそが、世界のモビリティ市場に突きつけるホンダ独自の挑戦状だ。モータースポーツの最高峰で培った極限状態のエネルギー管理技術が、そのまま市販EVの核心へと注ぎ込まれている。