大型連休の話題になると、今なお人々の記憶に鮮明に残っているのが2019年の「前代未聞の10連休」です。当時を知る読者の中には、「有給を使わずに10連休になった年があったのに、なぜ最近はそうならないのか」と疑問を抱く方も少なくありません。
過去最長連休として歴史に刻まれた2019年のカラクリは、天皇陛下の御即位に伴う特例法(祝日法特別規定)の発動にありました。5月1日の「天皇の即位の日」がこの年限りの祝日となったことで、祝日法第3条第3項の規定、すなわち「その前日及び翌日が『国民の祝日』である日は、休日とする」という条項が作動したのです。
具体的には、4月29日の「昭和の日」と5月1日の祝日に挟まれた4月30日、および5月1日と5月3日の「憲法記念日」に挟まれた5月2日が、それぞれ自動的に国民の休日へと昇格しました。カレンダー上の平日が法律によってすべて休日に塗り替えられた結果、有給休暇を1日も行使することなく、カレンダー通りの公休だけで10連休が実現したのです。
一方、制度的な特例がない通常の年においては、憲法記念日(5月3日)、みどりの日(5月4日)、こどもの日(5月5日)の3日間が連続しているため、間に挟まる平日が存在せず「国民の休日」が生じる余地はありません。したがって2026年を含め、平時において5連休を超える大型スケジュールを手に入れるためには、個人が主体的に有給休暇を行使する以外に道はないという構造的な差異が存在します。