神奈川県高校サッカー選手権は、全国高校サッカー選手権神奈川大会の予選を兼ねる大会であり、参加校数は例年200校前後に達する。一方、全国選手権への出場枠は2校のみ。単純計算で勝ち上がり確率は約1%。これは東京都や埼玉県、千葉県など首都圏の激戦区と並び、全国でも最難関の予選として知られる数字だ。
この狭き門こそが、神奈川県高校サッカーを特別なものにしている。一回戦から格上の相手と当たる可能性が高く、ノックアウト方式特有の緊張感が常につきまとう。指導者たちの間では「神奈川でベスト8に入ることは、地方の県大会優勝に匹敵する」というのが定説となっている。
また、神奈川県高校サッカーリーグの存在も見逃せない。県内を1部から4部まで細かくカテゴリー分けし、年間を通じて実戦経験を積めるこのリーグ戦は、選手の育成に大きく寄与している。特に1部リーグは三強に加え、湘南工科大学附属、三浦学苑、座間、向上などが鎬を削る。各校の戦歴を調べると、リーグ戦では三強が取りこぼす試合も少なくなく、実力が拮抗していることが分かる。
現場観戦者の声を拾うと、「選手権予選の3回戦あたりから、どの試合も全国大会の空気になる。スタンドの熱量が他県とは明らかに違う」という証言が複数寄せられた。サッカー関係者の間では、神奈川の予選を勝ち抜くこと自体が一つのタイトルと見なされる風潮すらある。