青山穣のキャリアにおいて、アニメファンの枠を越えてその名を広く知らしめた最大の転機が『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』のナレーションです。本作における語りは、単に状況を客観的に説明する一般的な枠組みを完全に超越していました。
「恋愛は告白した方が負けなのである!」という有名な導入句から、四宮かぐやと白銀御行の些細な心理戦に対する猛烈なツッコミまで、青山穣の声はまるで格闘技の実況アナウンサーのような熱量で視聴者を引っ張り続けました。制作スタッフのインタビューやラジオ番組等の証言によると、監督や音響演出陣からの絶大な信頼のもと、台本のニュアンスを最大限に活かした卓越したリズム構築とアドリブ感覚が随所に散りばめられていたと伝えられています。
シリアスな語り口で始まりながら、次の瞬間には怒涛のスピードで崩壊していく緩急の付け方は、まさに職人技。作品が国内外で大ヒットを記録した要因の一つとして、このナレーションの牽引力が挙げられることは間違いありません。