ネット上の言説や掲示板では、「ADHDは社交的で愛されキャラ、ASDは引きこもりで冷淡」「薬を飲めばすべて解決する」といった極端な二元論が散見されますが、これらは実態を無視した危険な誤解です。
まず、ADHDであっても「拒絶過敏性不快感(RSD)」により、他者からの批判を極度に恐れて内向的・孤立的になるケースは多々あります。また、ASDのこだわりや論理的思考力は、高い誠実性や専門分野での類いまれな集中力として機能することも多く、温かい人間関係を築いている当事者も少なくありません。
また、ADHDとASDの薬・治療法の違いについても正しく把握する必要があります。ADHDには脳内の神経伝達を整える薬物療法(メチルフェニデート徐放錠やアトモキセチンなど)が確立されていますが、ASDの中核特性(コミュニケーションやこだわり)に直接作用して根本治癒させる薬は現時点で存在しません。ASDに対しては、感覚過敏への環境調整や認知行動療法(CBT)、作業手順の可視化といった「環境と行動の再構築」が主軸となります。