ネット上の選曲ガイドでは「ラブソングはカラオケの鉄板」「誰でも盛り上がる」といった画一的な情報が散見されますが、現場のリアリティを踏まえるとこれには大きな落とし穴が存在します。
最大の盲点は、楽曲が持つ「情念の重さ」と「場の空気感」のミスマッチです。まだ出会って間もない合コンや、上司・取引先が同席する職場のオフィシャルな一次会直後のカラオケで、あまりにも重厚な失恋ソングや濃厚な愛の告白ソングを熱唱してしまうと、同席者はリアクションに困り、空気が凍りつくリスクがあります。
また、「泣ける愛の歌」として名高い超大作バラードを原キーで歌おうとし、サビで声がかすれたりピッチが大幅に外れたりするケースも頻発しています。本人は感情移入して気持ち良くなっていても、聴き手にとっては単なる「音程の不安定な叫び」に聞こえてしまい、感動どころか居心地の悪さを感じさせてしまいます。自分の声域に合わない楽曲を無理に選ぶことは、最大の事故要因と言えます。