スープカレーの主役ともいえるのが、スプーン1本で骨からスルリとほぐれる柔らかいチキンレッグ(骨付き鶏もも肉)や手羽元です。家庭の鍋で普通に煮込むだけでは、肉の繊維が縮んでパサつきやすくなります。
チキンを極上の「ほろほろ」食感に仕上げるための調理技術には、2つの王道ルートがあります。
- 通常鍋でのアプローチ(弱火コトコト煮込み):鶏肉の表面に軽く焼き目をつけた後、生姜、にんにく、酒、香味野菜とともに沸騰させない弱火で40〜50分じっくり加熱します。急激な高温加熱を避けることでコラーゲンがゼラチン化し、しっとりとした柔らかさが保たれます。
- 圧力鍋でのアプローチ(圧倒的時短):圧力鍋を活用する場合、加圧時間は15分前後、その後の自然減圧(ピンが下がるまで約10〜15分放置)を徹底します。短時間で軟骨の周りまでとろけるような柔らかさに仕上がります。
また、野菜の下ごしらえにも絶対的なルールがあります。スープカレーの具材(ナス、ピーマン、パプリカ、カボチャ、レンコン、人参など)は、「決してスープの中で一緒に煮込まない」ことが原則です。
野菜をスープで長時間煮込むと、スープが濁って野菜の角が崩れ、色合いも褪せてしまいます。人参やジャガイモなどの火が通りにくい根菜はあらかじめ電子レンジや蒸し器で加熱しておき、提供直前に170〜180度の油で素揚げ(または多めの油でフライパン焼き付け)してスープの上にトッピングします。このひと手間で野菜本来の甘みが凝縮され、外は香ばしく中はジューシーな名店仕様のビジュアルと食感が完成します。