岐阜県岐阜市加納本町に店を構える「二文字屋」の起源は、江戸時代初期の元和年間(1620年頃)にまで遡ります。中山道53番目の宿場町として栄えた加納宿において、諸国を行き交う大名や文人墨客をもてなす立場として創業しました。歴史の大きな転換点となった文久元年(1861年)、十四代将軍・徳川家茂へ嫁ぐために中山道を進んだ皇女和宮の御小休所として選ばれた記録も残るなど、まさに日本史の表舞台と共に歩んできた稀有な存在です。
長年培われた風格ある佇まいは、数寄屋造りの落ち着いた和空間と手入れの行き届いた中庭に色濃く残されています。効率性と回転率を優先する外食産業が増加するなか、文化庁の有形文化財級の歴史的重みを感じながら食事を堪能できる「物語の伴う食体験」が、知的欲求の高い現代の旅人や美食家たちから絶大な支持を集めています。