健苗ローラーを導入する上で最も多くの農家が疑問を抱くのが、「いつから転圧を開始し、1日に何回かければよいのか」という運用スケジュールです。タイミングを誤ると苗を押しつぶして枯死させるリスクがあるため、正確なステージ判定が欠かせません。
転圧を開始するベストな時期は、本葉の「1.5葉期〜2葉期(草丈3〜5cm程度)」です。出芽直後や1葉期未満の極初期は組織が柔らかすぎて折損しやすいため、ローラーをかけてはいけません。しっかり緑化が進み、自立したタイミングを見極めてからスタートします。終了の目安は、田植えの3〜5日前となる硬化(ハードニング)完了期までです。
日々の作業手順と基本パラメータは以下の通りです。
1. かける回数と頻度
基本は1日1回〜2回(1〜2往復)です。気温が高く日照が多い日や、逆に曇天続きで徒長しやすい条件下では1日2回に増やし、生育が遅れ気味の寒冷日には1回に抑えるなど、苗の伸び具合を観察しながら調整します。
2. 作業スピード
推進スピードは秒速0.3〜0.5m(人間がゆっくりと踏みしめて歩く程度)が黄金比です。早足で駆け抜けると十分な刺激が伝わらず、逆に立ち止まるほど遅いと局所的に過度な荷重がかかり、葉鞘を痛める原因になります。
3. 1日の中でのベストな時間帯
必ず「朝の水やり後、葉の表面の朝露や水滴がしっかり乾いた午前中」に行います。葉が濡れた状態でローラーを転がすと、葉同士や培土がベッタリと貼り付いてしまい、光合成阻害や苗立枯病といった病害の引き金になるため厳禁です。