エアコンから聞こえる異音にはさまざまな種類が存在します。ファンモーターの劣化による「キュルキュル音」、ルーバー駆動部の摩擦による「カタカタ音」、そして今回取り上げる「ポコポコ」「ボコボコ」という水が跳ねるような音です。エアコンの故障か確認する際、このポコポコ音に限っては、機械的な故障の可能性は極めて低いと判断できます。
この音が発生する直接的なメカニズムは、ストローでジュースを飲むときに底のほうで空気が混ざって「ズズッ」「ポコポコ」と鳴る現象と全く同じです。冷房や除湿運転を行うと、エアコン内部の熱交換器で空気中の水分が冷やされ、大量の結露水が発生します。この水は通常、室内機から屋外へと伸びる「ドレンホース」を通って自然に排出されます。
しかし、何らかの理由で室内が屋外よりも気圧の低い「負圧状態」に陥ると、外気がドレンホースを通って室内側へ吸い上げられます。その際、ドレンホース内の受け皿(ドレンパン)に溜まっている結露水を外気が勢いよく押し上げ、水たまりを空気が通過することで、あの独特なポコポコ音が発生するのです。
特に2026年代以降の日本の住宅は、省エネ性能の向上に伴い「高気密・高断熱住宅」が標準仕様となっています。隙間風が入らない構造である反面、室内の空気が外へ引っ張られた際に空気の逃げ場がなくなり、唯一外と直結している細いドレンホースから猛烈な勢いで空気が逆流してしまうのです。