『不協和音』における最大の転換点は、1番サビ前とラストの大サビ前で放たれる「僕は嫌だ」というセリフです。ファンの間では「僕は嫌だ 元ネタ」や「僕は嫌だ セリフ 真相」として長年語り継がれていますが、このフレーズが生まれた背景には、制作陣の初期意図を遥かに凌駕する平手友梨奈の表現への執念がありました。
振付を手掛けた世界ダンサー・TAKAHIRO氏やMV監督の新宮良平氏の証言によると、当初の楽曲設計において、このセリフは感情を抑制した呟きに近いトーンが想定されていました。秋元康氏が紡いだ歌詞の主人公は、周囲に屈しない強い意志を持ちつつも、孤独に耐える少年像として描かれていたためです。
しかし、レコーディングスタジオのマイク前に立った平手友梨奈は、主人公が抱える理不尽への怒り、そして自身がグループのセンターとして背負っていた重圧をその一言に注ぎ込みました。スタジオ内に響き渡ったのは、事前の打ち合わせを完全に打ち破る、喉が張り裂けんばかりの咆哮でした。その場にいたスタッフ全員が息を呑み、即座に「これで行くしかない」と方針が転換されたと言われています。まさに欅坂46 僕は嫌だ 叫びの原点は、計算された演出ではなく、10代のパフォーマーが魂を削って絞り出した剥き出しの自己主張だったのです。