ドラマ『海月姫』を語る上で避けて通れないのが、世帯平均視聴率と視聴者満足度の鮮やかなギャップです。
当時のビデオリサーチによる関東地区の世帯平均視聴率は全話平均で約6.1%と、数字の上ではフジテレビ月9枠として苦戦を強いられました。しかし、放送当時のTwitter(現X)では毎話のように世界トレンドおよび国内トレンドの1位を獲得。オリコンが実施するドラマ満足度ランキング「ドラマイズム」でも常にトップクラスの数値を記録するなど、視聴熱の高さは同クールの他作品を圧倒していました。
この乖離が起きた構造的要因は、リアルタイムの地上波視聴からTVerやFODをはじめとする「見逃し配信」への移行期だった点にあります。コアなファン層であるF1層(20〜34歳女性)やネット親和性の高いオタク層が、SNSで実況しながら配信でリピート視聴するスタイルに合致したため、従来のリアルタイム世帯視聴率には反映されにくい熱量が渦巻いていました。放送終了後に「月9の隠れた大名作」として再評価の声が高まった背景には、こうした視聴スタイルの変化が明確に存在します。