サンドラ・ブロックのキャリアにおける最大の転機といえば、1994年公開のノンストップ・アクション映画『スピード』です。爆弾が仕掛けられたバスのハンドルを握る一般女性アニー・ポーター役を演じた彼女は、従来の「守られるだけのハリウッドヒロイン」の常識を鮮やかに塗り替えました。
当時29歳だった彼女が見せた、快活で知的な笑顔と自然体のショートボブスタイルは、映画の世界的ヒットとともに社会現象を巻き起こしました。映画評論家や米メディアの当時のレビューでも「観客が彼女に恋をしないのは不可能だ」と絶賛され、一躍トップスターの座へと駆け上がりました。
当時の特番インタビューにおいてサンドラ本人は、「オーディションでは、ただ必死でリアルなパニックとユーモアを表現しようとしただけ」と振り返っています。完璧に作り込まれたグラマラスな女優陣とは一線を画す、等身大で親しみやすいキュートさが世界中の観客の心を掴んだ瞬間でした。