長年メディアの第一線で活躍するタレントやお笑い芸人、アイドルたちのデビュー初期映像を振り返ると、現在の整然とした口元との落差に驚かされることが珍しくありません。かつてチャームポイントと称された八重歯やすきっ歯が消え去り、隙のないアーチを描く芸能人歯並びビフォーアフターの現象は、視聴者の間でも常に注目の的です。
一般的なワイヤー矯正やマウスピース矯正を用いた場合、骨の代謝を利用して歯を動かすため、治療完了までに2年から3年程度の歳月を要します。しかし、多忙を極める芸能人が矯正装置を長期間装着することは、滑舌への影響や撮影スケジュール、ビジュアルの維持という観点から極めて困難です。そこで選ばれるのが、歯の表面あるいは大部分を削り、人工のセラミック冠を被せる手法です。
最短2週間から2カ月程度の通院で見た目を一新できるスピード感こそが、芸能界でセラミックが重宝されてきた最大の要因です。審美歯科関係者の証言によると、特に前歯の目立つ上下6本から10本前後を短期間で一括処置するケースが全体の7割以上を占めています。外見至上主義が色濃いエンターテインメント業界において、即効性のある口元の改変は強力な自己投資として機能してきました。