これまで、心と体のつながりはどこかオカルト的、あるいは経験則的なものとして片付けられがちだった。しかし、今回の研究で研究者らが特定したのは、脳の「島皮質(とうひしつ)」と呼ばれる部位から自律神経を経由して脾臓(ひぞう)やリンパ節へと伸びる、ダイレクトな情報伝達ルートだ。これにより、私たちが「楽しい」「心地よい」と感じた瞬間に、免疫細胞が一斉に活性化する様子がリアルタイムイメージング技術で捉えられた。
逆に、強い不安や孤独感を感じているときには、この回路が異常に興奮し、全身に微小な炎症を引き起こすシグナルが送られる。つまり、私たちの脳は、意識のあり方ひとつで体内の防衛システムを強化することも、自ら崩壊させることもできる「スイッチ」を握っているのだ。