2009年8月。あの夏の衝撃を覚えている人は多いはずだ。人気絶頂だったアイドル女優の夫として、そして東京・青山の有名スポーツショップの跡取り息子として、高相祐一は常に「勝ち組」の象徴だった。しかし、覚醒剤取締法違反での逮捕は、その虚飾の日常を一瞬で崩壊させた。逃亡を図った元妻の動向を含め、連日テレビは彼の姿を追い続け、ワイドショーは狂乱の様相を呈した。
当時の彼は、サーフボードを抱え、日焼けした肌でカメラを睨みつける「不良性」を残した男だった。だが、その裏で蝕まれていた精神と肉体は、すでに自力でのコントロールを失っていたのだ。あの事件は、単なる芸能スキャンダルではなく、日本の薬物汚染の根深さを浮き彫りにする象徴的な出来事となった。