事故が発生したのは、東西を結ぶ大動脈である高速道路本線でした。前方の自然渋滞によって減速・停止していた一般乗用車の列に対し、水谷水都代が運転する大型トラックが減速行動をほぼ取らないまま直撃。玉突き衝突を引き起こし、複数の車両を巻き込む惨事となりました。
現場の路面には明確な制動痕(スキッドマーク)がほとんど確認されず、トラック側が危険を察知して急ブレーキを踏んだ形跡が見られなかったことが警察の現場鑑識で判明しています。警察の取り調べに対し、本人は「前方を見落としていた」「気付いたときには目の前に車があった」といった趣旨の供述を行い、過失運転致死傷の現行犯で逮捕されました。
なぜ、プロドライバーでありながらこれほど致命的な見落としが生じたのか。捜査の過程では以下の要素が重点的に検証されました。
- スマートフォンの注視・操作の有無:車内から押収された通信端末の通信ログ、画面点灯履歴、通話履歴の解析。
- 過労とマイクロスリープ(微小睡眠):深夜帯から早朝にかけての連続運行による極度の疲労蓄積と居眠り運転の可能性。
- 運行前点呼と健康状態:点呼時の体調申告、持病や睡眠時無呼吸症候群(SAS)の既往歴の有無。
デジタルタコグラフ(運行記録計)の解析データでは、衝突直前まで巡航速度が維持されていたことが記録されており、ドライバーが直前まで迫る危険を全く認識できていなかった「漫然運転」の実態が浮き彫りとなりました。