日本全国で出店攻勢をかけるバーガーキングが、なぜ徳島県を「空白地域」のまま残しているのか。そこには単なる人口規模だけでは語れない、外食チェーン特有のシビアな経済合理性とロジスティクスの壁が存在します。
最大の要因は、コールドチェーン(低温物流網)の配送効率です。バーガーキングの代名詞である大型パティや専用バンズ、フレッシュな野菜類は、厳格な温度管理のもとで関西や中四国の基幹物流センターから配送されます。1店舗のためだけに長距離の配送ルートを新設・維持することは、物流コストが跳ね上がる「物流の2026年問題」以降、経営上の致命的なリスクとなり得ます。
さらに、徳島都市圏の車社会に最適化したロードサイド型立地(ドライブスルー併設)の確保が難航している点も挙げられます。国道11号線や国道55号線バイパス沿いなどの一等ロードサイドは、すでにマクドナルドやモスバーガー、地元有力チェーンが強固な地盤を築いています。敷地面積300坪以上、駐車場20台以上を確保できる好条件の物件は競争率が極めて高く、参入のハードルを引き上げているのです。