欧州の二大巨頭であるフォルクスワーゲングループとステランティスは、今や巨大な企業連合というよりも、共通プラットフォームを融通し合うメガサプライヤーに近い様相を呈しています。
フォルクスワーゲングループの傘下ブランドは、大衆車ブランド群(VW、シュコダ、セアト/クプラ)と、高収益を叩き出すプレミアム・ラグジュアリー群(アウディ、ポルシェ、ランボルギーニ、ベントレー)に大別されます。グループの屋台骨を支えてきたのはポルシェやアウディの高い営業利益率でしたが、ソフトウェア子会社「CARIAD」の開発遅延がグループ全体の新型車投入スケジュールを乱し、ドイツ国内工場の稼働率低下という深刻な構造問題を引き起こしました。
一方、FCA(フィアット・クライスラー)とグループPSA(プジョー・シトロエン)の統合によって2026年に誕生したステランティスの保有ブランド一覧は、実に14ブランドに及びます。
- フランス系:プジョー、シトロエン、DS
- イタリア系:フィアット、アバルト、アルファロメオ、ランチア、マセラティ
- アメリカ系:ジープ、RAM、クライスラー、ダッジ
- ドイツ/英国系:オペル、ボクスホール
ステランティスは統合直後、徹底したコスト削減によって驚異的な営業利益率を記録しました。しかし、各ブランドのキャラクター重複や、かつてのドル箱であった北米市場におけるジープ・RAMの販売不振が重なり、カルロス・タバレス体制が敷いた極端なコストカットの歪みが表面化しています。不採算ブランドの売却やブランド整理が現実的な選択肢として議論の俎上に載せられる事態に陥っています。