1980年代半ば、日本のテレビ界はフジテレビが「楽しくなければテレビじゃない」を標榜し、圧倒的な視聴率を誇っていました。その牙城を崩すべく日本テレビが日曜20時枠に投入したのが『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』です。番組の最高峰を牽引したビートたけしの圧倒的な求心力と、総合演出を務めたテリー伊藤による既成概念を破壊する映像演出が融合し、日テレ バラエティ 黄金期の礎を築きました。
番組がもたらした最大の技術革新は、テンポの速いカット割り、画面上に感情や突っ込みを文字で表示する「テロップ(文字演出)」、そして一般市民のリアルな生態を丸裸にする「ドキュメント・バラエティ」という新ジャンルの確立です。当時のスタジオトーク中心だったテレビ界に対し、日本全国津々浦々へロケ隊を送り込み、街頭インタビューから突発的なドラマを生み出す手法は革命的でした。
全493回の放送期間中、平均視聴率は20%前後を維持し続け、日曜の夜に家族全員がテレビの前に集まるライフスタイルを定着させました。番組が生み出した熱気は、単なる娯楽の枠を超えて、バブル景気へと向かう日本社会のエネルギーそのものを象徴していました。