Q1:お面は何枚くらい重ねているのですか?最後の素顔はどうやって出すのですか?
A1:一般的な舞台では10枚から15枚程度、長時間の本格演目では20枚以上を重ねています。極限まで薄く梳いたシルク素材を使用しているため、15枚重ねても厚みはわずか1〜2ミリ程度に収まります。最後の「素顔(本顔)」を出す際は、すべての仮面を首元や帽子の中、あるいは衣装の裏地へと引き込み、素顔を観客に晒すことで「人間への回帰」をドラマチックに表現します。達人は素顔を出した後に、再び一瞬で仮面を戻す「回面」という超高等技術を披露することもあります。
Q2:変面師の衣装や仮面の仕掛けは一般人でも購入できますか?
A2:現在では海外のECサイト等で練習用の簡易衣装が販売されており、一般人でも購入自体は可能です。しかし、プロが実演で使用する衣装は演者の体格、首の太さ、腕の長さに合わせてミリ単位で完全オーダーメイドされており、市販の簡易品とは精度・耐久性ともに全く異なります。プロ仕様の道具は現在でも信頼できる師匠から譲り受けるか、劇団お抱えの特殊衣装職人に特注するのが通例です。
Q3:日本人でも正式な変面師になれますか?弟子入りの条件は?
A3:日本人でも正統な指導を受けて第一線で活躍しているプロの変面師は存在します。かつてのような厳格な国籍制限や血統主義は大幅に緩和されていますが、正式な弟子入りには「川劇の身体操作(中国武術や伝統舞踊の所作)を修得する熱意」「師弟関係の礼節を守ること」「商業的なタネ明かしや技術の無断流出を行わない誓約」などが厳格に求められます。単なるマジックのレッスンではなく、伝統演劇の門下生としての全人格的な信頼関係が前提となります。