中井美穂さんが病に倒れたのは、2002年の秋、彼女が37歳のときでした。それまで大きな病気知らずだった彼女を、突如として激しい腹痛が襲いました。当初は単なる胃腸の不調かと思われた痛みが急激に悪化し、耐え難い激痛へと変わったため、救急搬送される事態となったのです。
搬送先の病院で下された診断は、「急性腹膜炎」およびそれに伴う腸閉塞(イレウス)でした。腹腔内に細菌感染が広がり、一刻を争う危険な状態に陥っていたため、医師団によって即時の緊急開腹手術が決断されました。
手術の現場では、腸の一部に重度の炎症と壊死が確認され、病巣の切除が行われました。腹膜炎は治療が遅れれば敗血症を引き起こし、生命に関わる疾患です。当時の状況について、関係者や本人が後のインタビューで語ったところによれば、「あと少し受診が遅れていたら命が危なかった」とされるほど緊迫した医療現場の判断でした。