東光太郎の去就を語るうえで避けて通れないのが、『ウルトラマンタロウ』第53話(最終回)「さらばタロウよ!ウルトラの母よ!」のドラマツルギーです。
物語の終盤、居候先である白鳥家の少年・白鳥健一は、宇宙海獣サメクジラに父を奪われ、絶望の淵に立たされます。健一は「自分にはタロウがいるから平気だ」と超人への依存を口にしますが、光太郎はその甘えを戒め、人間自らが悲しみを乗り越えて立ち上がる姿を見せる決意をします。
光太郎は緑のおばさん(ウルトラの母の人間態)の前に立ち、自らの意志でウルトラバッジを返却。光の巨人としての超能力を完全に放棄しました。そして、ZATの制服を脱ぎ捨て、怪獣バルキー星人を相手にZAT隊員として培った人間の知恵と機転、オイルコンビナートのトラップだけを駆使して単身で撃破したのです。
戦いを終えた光太郎は、健一に「人間としての強さ」を行動で示し、東京の雑踏の中へと笑顔で消えていきました。この「超人から自立し、名もなき人間として生きる」という結末こそが、東光太郎というヒーローの物語における最大の完成点でした。