ユニフォームを脱いだ後の加藤氏の身の振り方は、世間の予想を大きく覆すものでした。多くの元プロ野球選手が指導者や球団職員の道を選ぶ中、加藤氏はタレント活動や焼肉店のプロデュースなど、多方面のビジネスに果敢に挑戦しました。
なかでも大きな話題を呼んだのが、麻雀のプロ雀士としての本格的な転身です。日本プロ麻雀連盟に所属し、厳しいプロテストを突破してプロ雀士としてのキャリアをスタートさせました。勝負師としての勘の鋭さと冷静沈着な読みは麻雀界でも高く評価され、タイトル戦での上位進出や著名プロとの対局でその腕前を証明しています。
波乱に満ちた競技生活を支え続けたのが、妻と家族の存在です。日本中から袋叩きに遭ったあの1989年当時も、引退後の新たな挑戦の日々も、家庭では常に加藤氏をひとりの人間として温かく包み込みました。後年のメディア出演で加藤氏は、「世間に何を言われようと、家の中に自分の居場所があったからこそ、どの道でも前を向いて笑っていられた」と語り、家族への深い感謝の念を口にしています。