ファンの間で今なお語り草となっているのが、2000年4月から6月にかけて3ヶ月連続でリリースされた「絶望三部作」の流れです。このプロジェクトは、彼女の精神的クライマックスをパッケージングした一大叙事詩でした。
第1章の『vogue』(4月発売)では「現在」の刹那的な美しさと散りゆく存在の儚さを歌い、第2章の『Far away』(5月発売)では「過去」へのノスタルジーと取り戻せない記憶への激しい喪失感が描かれました。内面の混沌と苦悩を極限まで吐き出したこの2曲を経て、第3章として放たれたのが『SEASONS』です。
テーマは「未来」。深い絶望と自己否定の淵を這い上がった先で、彼女はようやく「いつか笑って振り返られる日が来る」という微かな光を見出しました。この3部作の完結という文脈を理解して聴くことで、『SEASONS』の持つカタルシスと救済の重みがより一層鮮明に浮かび上がってきます。