対馬から釜山を目撃できるかどうかは、完全に「大気の状態」に左右されます。対馬海峡は暖流が流れ、水蒸気や海霧が発生しやすい環境にあるため、現地を訪れたからといって100%見えるわけではありません。年間の視認確率はおよそ20%から30%前後(年間70〜90日程度)と言われています。
釜山をクリアに捉えるための決定打となる気象条件は以下の通りです。
- 視程(空の透明度):気象観測上の視程が「50km以上」確保されていること。
- 湿度と気温:湿度が低く、空気が乾燥していること。
- 気圧配置:冬型の気圧配置が緩み、澄んだ高気圧に覆われた直後、または雨上がりに北風が吹いてチリが洗い流されたタイミング。
季節ごとの見頃時期としては、11月から翌年2月にかけての晩秋〜冬季が圧倒的なベストシーズンです。春先(3月〜5月)は黄砂やPM2.5、靄(もや)の影響を受けやすく、夏季(6月〜8月)は湿った海風による水蒸気で水平線が霞んでしまう日が多くなります。
また、近年カメラファンを中心に熱狂的な支持を集めているのが「夜景」の鑑賞です。日中は霞んで見えにくい日であっても、日没後は釜山沿岸部の街灯火や広安大橋のライトアップ、高層マンション群の放つ光が漆黒の海峡越しに煌めき、肉眼でも光の帯として観測できます。さらに、秋に釜山で開催される「釜山世界花火大会」の開催日には、対馬の展望台から海を越えて炸裂する花火の光煙を鑑賞するという、国境の島ならではの特別な体験も注目されています。