「写真に写る人物を検索して、名前やSNSアカウントを突き止めたい」という需要は年々高まりを見せている。かつてのリバース画像検索(逆画像検索)は、Web上に存在する「まったく同じ画像ファイル(ピクセルデータ)」を照合する仕組みが主流だった。そのため、トリミングされたり色味が加工されたりした写真では検索結果がヒットしないケースがほとんどだった。
この状況を一変させたのが、ディープラーニングを用いた顔認証類似画像検索の進化だ。最新のAIは、顔の輪郭、目や鼻の配置比率、骨格といった特徴点を数値化(ベクトル化)し、同一人物の顔データを膨大なWebデータベースの中から瞬時に照合する。髪型を変えていようが、サングラスをかけていようが、高い精度で同一人物を導き出すことが可能になった。
一方で、世界最大手の検索プラットフォームであるGoogleレンズ人物特定の挙動には大きな特徴がある。Googleは倫理的ガイドラインとプライバシー保護の観点から、一般人の顔写真に対する顔認識機能にあえて厳しいリミッターをかけている。一般人の顔を写して検索しても、類似した顔立ちのモデルや似た構図のフリー素材が表示される仕様だ。
ただし、すでに公に名前が知られている俳優、タレント、政治家などの著名人に関しては、Web上のナレッジグラフと紐づけられているため、名前がわからない芸能人画像検索としては抜群の精度を誇る。「テレビで見かけたあの俳優の名前を知りたい」といった用途であれば、Googleレンズをかざすだけで公式プロフィールや出演番組が瞬時に判明する。