1990年9月8日に東宝系で封切られた『稲村ジェーン』は、配給収入約18億3000万円(興行収入ベースで約30億円規模)を叩き出すメガヒットを記録しました。映画館の前には連日長蛇の列ができ、加勢大周のデビュー作はまさに日本映画史に残るお祭り騒ぎとなったのです。
本作の魅力を語る上で欠かせないのが、共演陣との絶妙なアンサンブルです。
- 的場浩司(カッチャン役):血気盛んで義理人情に厚いヤクザ風の青年を熱演。加勢大周が演じる静かなヒロシとの対比が鮮烈なコントラストを生み出しました。
- 清水美砂(波子役):ヒロインとして奔放さと芯の強さを兼ね備えた大人の女性を好演し、物語にみずみずしい緊張感をもたらしました。
- 尾美としのり(マサシ役):主人公たちを温かく見つめる狂言回し的な存在として、作品のリアリティを支えました。
さらに、サザンオールスターズの代名詞となった「真夏の果実」や、今なおCMや駅の発車メロディとして愛される「希望の轍」が劇中歌・主題歌として使用され、音楽と映像が融合したカルチャー・ムービーとしての地位を確立しました。