では、米軍関係者の友人や配偶者がいる場合、キャンプキンザーのコミサリーへエスコートしてもらうことは可能なのでしょうか。制度上の規定を整理すると、入店と購入の間には明確な壁が存在します。
米軍関係者(現役軍人・軍属・扶養家族)にエスコートされてビジターパスを発行されれば、同伴者としてコミサリーの敷居をまたぐこと自体は許可されています。店内に並ぶ巨大なカートを押しながらアメリカのスーパーの雰囲気を楽しんだり、商品棚を眺めたりすることは規律上問題ありません。しかし、購入手続き(レジでの決済)において厳密な制限が課せられます。
レジに並んで商品をスキャンする際、キャッシャーは必ず購買適格者証(CACカードやディペンダントID)のスキャンを要求します。ここで非適格者である一般人が自分名義のクレジットカードや現金を提示することは規約違反となります。さらに見落とされがちなのが「代理購入(米軍関係者に買ってもらい、後で現金を渡す行為)」の違法性です。
米軍基地のコミサリーにおける商品は、日本の消費税や関税が課されない完全な免税措置(SOFA免税)が適用されています。これらを基地外の非適格者に譲渡・転売したり、利益を伴わない単なる代理購入であっても日常的に代行させる行為は、日米地位協定の目的外利用および日本国内の関税法違反・脱税行為に問われるリスクを孕んでいます。最悪の場合、エスコートしてくれた関係者が購買権を剥奪されるなどの軍紀処分(UCMJに基づく罰則)を受けるため、安易な買い物依頼は厳禁です。