路地裏に佇む店舗の前へ立つと、まず目を奪われるのが建物を覆い尽くす鮮やかなツタの緑です。中崎町のレトロカフェの中でも、ここまで圧倒的な存在感を放つ隠れ家は他にありません。
引き戸を開けて足を踏み入れると、飴色に磨かれた木床のきしむ音、ほのかに漂うスパイスとお香の香り、そして計算された陰影を生み出すアンティーク照明が出迎えてくれます。店内には所狭しと書籍が並び、不揃いのアンティークチェアやテーブル、さらには遊び心あふれるブランコ席まで配置されています。
2階へと続く階段を上がれば、畳の温もりを感じる座敷スペースや小さなギャラリーが広がり、時間を忘れて読書や思索に没頭する客の姿が見られます。「ただお茶を飲む場所」ではなく、訪れた人の感性を解き放つ劇場のような空気感こそが、天人の真髄です。