通夜・葬儀や法事の場において、参列者が最も迷うのが「お焼香」と「お念珠(数珠)の扱い」です。大谷派独自のルールを把握しておけば、現場で慌てる心配はありません。
1. 真宗大谷派の焼香作法(回数は2回・押しいただかない)
大谷派の焼香は、心を落ち着けて仏徳を讃えるための所作です。香を指先でつまんだ後、額の高さまで掲げる(押しいただく)動作は一切行いません。
- 手順1:焼香台の2〜3歩手前で本尊(または遺影)に向かって一礼し、焼香台の前へ進む。
- 手順2:右手のおや指・人さし指・中指の3本で香をつまみ、額に押しいただかずにそのまま香炉へ落とす。
- 手順3:同様の動作をもう一度行い、合計2回香をくべる。
- 手順4:香炉のフタがあれば静かに閉じ、合掌して「南無阿弥陀仏」とお念仏を唱え、深く一礼する。
- 手順5:数歩後退して再度一礼し、席へ戻る。
2. 数珠(門徒用念珠)の持ち方と扱い
真宗大谷派では、主玉が108玉ある「双輪念珠(そうりんにんじゅ)」が正式とされ、房には「切房(きりふさ)」を用います。持ち歩く際は左手で房を下にして握り、合掌礼拝の際は両手を合わせた上から数珠をかけ、親指と人差し指の間に挟んで房を自然に左側へ垂らすのが大谷派の伝統的な作法です。数珠を手で擦り合わせてジャラジャラと音を立てる行為は、大谷派では行いません。
3. 仏壇の正しい飾り方(三具足と名号)
大谷派の仏壇は、金色燦然とした「金仏壇」が本義とされます。中央には本尊である「阿弥陀如来立像」または「阿弥陀如来絵像」を安置し、向かって右側には「帰命尽十方無碍光如来(十字名号)」、左側には「南無不可思議光如来(九字名号)」の脇掛を配します。
下段の飾り付けでは、花立・香炉・燭台からなる「三具足(さんぐそく)」を配置します。大谷派特有の鶴亀燭台を向かって右、中央に透かし香炉(土香炉)、左に花立を置くのが基本です。線香は1本を2〜3つに折り、火をつけて煙を立たせた後、香炉の灰の上に横にして寝かせます。