物語は明治中期の山梨県甲府から始まります。貧しい小作農の家に生まれた安東はな(吉高由里子)は、教育熱心な父・吉平(伊原剛志)の熱意によって東京のミッション系寄宿学校「修和女学校」へ給費生として編入します。当初は厳しい校風と言語の壁に戸惑うはなでしたが、ブラックバーン校長(トーティ・シェリー)や富山タキ(ともさかりえ)、茂木のり子(室井滋)らの薫陶を受け、卓越した英語力を開花させていきます。
寄宿舎生活の中で、はなは気位の高い伯爵令嬢・葉山蓮子(仲間由紀恵)と運命的な出会いを果たします。出自のまったく異なる二人は反発し合いながらも、文学への情熱を共有することで魂の友「腹心の友」としての絆を結びます。卒業後、故郷での教師生活を経て東京の出版社「教文館」に勤務したはなは、印刷会社の跡取り息子である村岡英治(鈴木亮平)と出会い、数々の試練を乗り越えて結婚します。
大正から昭和へと時代が移り変わる中、待望の長男・歩を病で失うという激しい悲痛を経験しながらも、はなは翻訳家としての道を邁進します。太平洋戦争が勃発し、敵性語として英語が排除される中、カナダ人宣教師から託された一冊の洋書『Anne of Green Gables』を、空襲警報が鳴り響く防空壕の中でも翻訳し続けました。戦後、NHKラジオの「コドモの新聞」で語り手として子どもたちに夢を届けつつ、1952年に『赤毛のアン』を出版。ラストシーンでは、カナダのプリンスエドワード島に思いを馳せながら、希望に満ちた笑顔で物語の幕が閉じられます。