実際の被災生活において、お菓子はどのように役立ち、逆にどのようなトラブルを招いたのでしょうか。過去の大規模震災における避難所運営記録や被災者のSNS発信、知恵袋などのリアルな告白を調査すると、教科書通りの備蓄では気づけない「現場の真実」が見えてきます。
能登半島地震や熊本地震の在宅避難を経験した方々の手記には、以下のような生々しい証言が綴られています。
「避難所では冷たく固くなったおにぎりやパンが配られる日々。家族全員が疲弊し、言葉数が消えていったとき、リュックから取り出したキャラメルを子どもに渡したら、数日ぶりに笑顔を見せてくれた。その笑顔を見た瞬間、張り詰めていた私の涙腺も崩壊した」(40代女性・主婦)
「真夏に被災して自宅が停電。防災用にしまっておいた板チョコがドロドロに溶けて銀紙と一体化し、手がベトベトになって水も使えず大惨事になった。夏場のチョコは絶対に選び方を考えないといけない」(30代男性・会社員)
ここで特筆すべきは、多くの人が直面する「非常食チョコレートの賞味期限と融点問題」です。チョコレートは高カロリーかつポリフェノールも含み、賞味期限も通常1年〜1年半と比較的長いため非常食として非常に人気があります。しかし、一般的なチョコレートは約28℃を超えるとココアバターが溶け出し、分離・液状化してしまいます。
真夏の炎天下や空調の止まった避難所、車中泊の車内は容易に40℃近くに達します。そこで水が使えない状況下でチョコが溶けてベタついてしまえば、衛生面でも精神面でも大きなストレスとなります。チョコレートを非常食にする場合は、糖衣コーティングされたマーブルタイプや焼きチョコタイプ、あるいは自衛隊等でも採用実績のある「耐熱性・長期保存対応の専用備蓄チョコレート」を選定することが、現場を知るプロの鉄則です。