「花粉シーズンが終われば自然に治るだろう」と耳の詰まりを放置するのは禁物です。耳管狭窄症が長引くと、中耳腔の気圧が陰圧(真空に近い状態)になり続け、周囲の組織からしみ出した浸出液が鼓膜の奥に溜まってしまう「滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)」へと移行するリスクが高まります。
滲出性中耳炎は、強い痛みを伴う急性中耳炎とは異なり、「痛まないけれど聞こえが悪い」「耳の中で水が動くような音がする」といった形で静かに進行するのが特徴です。長引くほど液体の粘度が増して中耳に固着し、聴力低下や頑固な耳鳴りを併発する原因となります。
花粉症の耳詰まりが「なかなか治らない」最大の理由は、耳そのものに直接薬を塗ることができず、大元の原因である「鼻の奥の炎症」が鎮静化していないからです。耳管の腫れが引かない限り中耳の換気は再開されないため、耳の異常を感じた段階で根本治療を始める必要があります。