名匠ブルーノ・マルコットコーチの眼差しは極めて冷静だ。「彼らの強みは技術の難度だけではない。お互いへの絶対的な信頼が生み出すユニゾンだ」と語る同氏は、世界フィギュアスケート選手権での王座奪還に向けた冷徹なスコアリング戦略を敷いている。ISUグランプリシリーズを転戦しながら得点源となるスロージャンプの着氷姿勢をミリ単位で修正し、技の出入りにおけるトランジションの密度を極限まで引き上げた。
ライバル勢が技の難度を上げて挑んでくる現代ペアにおいて、GOE(出来栄え点)で満点を引き出す完成度の高さこそが最大の武器となる。マルコット氏の綿密なプランのもと、二人はプレッシャーを楽しむかのように、日々のセッションで限界を押し広げ続けている。