自転車が道路の右側を通行する行為は、道路交通法第17条第4項(左側通行原則)に抵触する明白な違反行為です。日本の道路行政において、自転車は「軽車両」に位置付けられており、原則として車道の左側端に寄って通行しなければなりません。
長年、自転車の交通違反に対しては、刑事手続きを前提とした「赤切符(交通切符)」または口頭・書面による「指導警告票(自転車指導警告カード、通称イエローカード)」の交付が中心でした。しかし、赤切符は起訴・裁判手続きを伴うため警察・検察の負担が重く、実質的に悪質な酒気帯び運転や無免許運転などを除いて起訴猶予になるケースが目立ち、指導警告票には直接の罰則や罰金がないため抑止力に限界がありました。
この状況を一変させたのが、16歳以上を対象とした「青切符(交通反則通告制度)」の自転車への導入です。警察庁の最新ガイドラインおよび取締り現場の運用データによると、信号無視や一時不停止、携帯電話使用(ながら運転)と並び、「通行区分違反(右側通行・逆走)」は重点取締り対象の筆頭に指定されています。警察官の停止指示に従い青切符が交付された場合、違反者は定められた期間内に反則金(5,000円〜6,000円程度を基準に設定)を納付しなければならず、反則金を納めない場合は通常の刑事手続きに移行します。
さらに、3年以内に青切符や赤切符による違反行為を2回以上繰り返した運転者には、「自転車運転者講習」(受講手数料約6,000円、標準3時間)の受講が命じられます。この受講命令を無視した場合、5万円以下の罰金が科される厳格な二重の抑止構造が敷かれています。